発声と胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は、発声に直接関与する筋肉ではありません。ですが、この筋肉が硬化すると肩甲舌骨筋や上喉頭神経外枝(輪状甲状筋の働きを指示する神経)を圧迫する原因になる他、甲状軟骨の可動範囲を狭め、共鳴腔を狭小させるなど、発声に関与する多くの器官に悪影響を及ぼすため、柔軟性を獲得したい筋肉です。

胸鎖乳突筋は、主に頸を回旋したり、横たわった状態から起き上がる際に頸や頭を支える際に機能する筋肉です。左(上)図をご覧ください。胸骨柄と鎖骨頭から開始し、側頭骨の乳様突起に停止します。ストレッチ時は、筋肉の位置をイメージすることと、その筋肉が伸びている感覚を研ぎ澄ませることが重要です。図をみて正確な胸鎖乳突筋の位置を認識してください。

ストレッチ方法

では、この胸鎖乳突筋のストレッチ方法を記載しているサイトをご紹介いたしましょう。以下、ご紹介させていただくサイトでは、胸鎖乳突筋には直接触れず、伸張させて行うストレッチが紹介されています。胸鎖乳突筋は、副神経や第2頚神経が通る筋肉で、過度な刺激により気分が悪くなったり声に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、もし、あなたが専門家でない場合は、直接触ったり揉んだりするのは極力さけたほうがよいでしょう

胸鎖乳突筋の伸張方法としては、頸を横に倒し、その状態で後方に回旋、もしくは静止させる方法が主流です。そこにプラスして伸長させる側の胸鎖乳突筋の付け根である鎖骨部分を手で押さえる方法や、頸を真後ろに倒し、両方の胸鎖乳突筋を同時に伸長させる方法が紹介されています。

フィットネスの勧め

首の周りには、僧帽筋(上部)、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、頭板状筋、または前斜角筋など、大小様々な筋肉が集まっています。特に肩こりのある方はお風呂上がりなどで筋肉が緩んでいるときにストレッチすることお勧めします。

  • 頭を後傾させた形。
  • 首の前面にある胸鎖乳突筋、肩甲舌骨筋、または前斜角筋などのストレッチとなる。

カラダ美人

  1. 姿勢を正し正面を向いて立つ、もしくは座ります。
  2. 右の胸鎖乳突筋をストレッチするために左手で右鎖骨を押さえ、頭を左斜め後ろに倒します。この時、あごを左斜め上に突き上げるように行います。
  3. この姿勢を30~60秒間維持し、逆側も同様に行います。

運動後や入浴後など体が温まっているときに行うとより効果的です。

耳の付け根を上下左右に動かすストレッチ法

以上、胸鎖乳突筋を伸張させるストレッチを紹介している3つのサイトをご紹介しました。一方、 サイト「Team-PCS」では、付け根である乳様突起付近の器官である耳の付け根をつかみ、上下左右に動かすストレッチ法を紹介しています。このストレッチ法は、ボイスケアサロンの會田先生もお勧めしています。(會田先生は、茎突咽頭筋・茎突舌骨筋のストレッチとして紹介されています。参照:声質を高め滑舌を良くする簡易法あり!?

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