茎突舌骨筋は、舌骨上筋群の1つです。嚥下を補助する筋肉であり、収縮すると舌骨を後上方に挙上させます。側頭骨の茎状突起から始まり、舌骨で停止します。
一方、茎突咽頭筋も茎突舌骨筋と同様、嚥下を補助、収縮により喉頭を挙上させます。開始場所は咽頭舌骨筋同様、側頭骨の茎状突起、停止位置は甲状軟骨の後縁である咽頭壁となります。
既にご存知の方が多いかと思いますが、喉頭は固定されておらず、いわば宙に浮いた状態の器官です。この喉頭を吊り下げているのが、この茎突咽頭筋と茎突舌骨筋なのです。(甲状軟骨と舌骨は、甲状舌骨筋というしっかりとした筋肉でつながれています。したがって、舌骨を吊り上げる茎突舌骨筋は、間接的に喉頭を吊り上げる筋肉ということができます。)
この2つの筋肉が発声時に過緊張状態になると、喉頭は後上方に挙上された状態となり、結果、喉頭の埋まりこみが発生、発声に悪影響を与えます。したがって、この筋肉の硬化がある場合は、柔軟性を獲得する必要があります。
ストレッチは、筋肉の位置をイメージすることと、その筋肉が伸びている感覚を研ぎ澄ませることが重要です。図をみて正確な茎突舌骨筋・茎突咽頭筋の位置を認識してください。
では、以下ネット上で紹介がなされている茎突舌骨筋・茎突咽頭筋のストレッチ方法をご紹介していきましょう。他のページでも同様のことを述べていますが、ここで紹介するのは、基本的には(私を含め)素人でも施術レベルと安全性の観点から実施が可能なものをご紹介しております。ですが、無理なストレッチは逆に筋肉や他器官にダメージを与えます。決して無理のない範囲での実施をお願いいたします。
茎突咽頭筋ストレッチ
高音が出るようになる耳の下のチョー痛いところのストレッチ
こちらの整体師の方は、自身も発声に精通されている方のようで、動画内で発せられる鍛えられた声が印象的です。茎状突起の直下辺りを指で押すストレッチを紹介されています。実際に実施し、痛みを伴う方は茎突咽頭筋が凝っているとのこと。是非、このストレッチで柔らかくしてみてください。
また、動画内でも注意点として、押し過ぎによる茎状突起の損傷を挙げています。茎状突起は非常に脆いですので、力を入れすぎないようにくれぐれもご注意ください。
茎突咽頭筋ストレッチ
続きまして、ボイスケアサロン・會田先生の喉ニュース目次に掲載されているストレッチをご紹介しましょう。こちらのページは、動画が掲載されているページですが、残念ながらこちらの動画は現在、非公開中です。ですが、ポイントとして方法が記載されています。
- あくびをする感覚で甲状軟骨を下げた状態で首を真右にゆっくり回旋(開口してもOK)
- その状態で10秒キープ
- 首をゆっくりと正面に戻す
これを3~5回繰り返します。位置的に胸鎖乳突筋が目立ちがちですが、その下にある茎突咽頭筋が伸びているイメージを抱き実施するのがポイントとのことです。
以下、少し踏み込んだ内容とはなりますが、茎突咽頭筋の重要性のページに掲載されている茎突咽頭筋ストレッチの施術画像もご紹介しましょう。4本の指の腹を使ってマッサージしているのが分かります。是非ご確認ください。
※実施の是非はくれぐれも自己判断でお願いいたします。
茎突舌骨筋・茎突咽頭筋ストレッチ
声質を高め滑舌を良くする簡易法
引き続き、喉ニュースに掲載のストレッチ法をご紹介しましょう。こちらのページにはストレッチに直接関連する動画や図は掲載されておりませんので、文章のみのご紹介となります。方法は以下のとおりです。
- 耳たぶの付け根を掴み、微力で下前方(茎突舌骨筋・茎突咽頭筋の中間方向:右(上)図)に60秒間引き下げる。
- そのままの状態で、今度は60秒間、下顎をゆっくり前にスライド、開口する。
- 耳たぶから手を離し、穏やかに口を閉じます。
これを2~3回繰り返してもOK(恐らく、効果が認められれば1回でも良いのでしょう)とのことです。
歌手・アナウンサー・声優の方からも効果ありの声が挙がったストレッチ方法のようです。是非、お試しください。
噛み合わせ改善ストレッチ
以下のサイトでは、噛み合わせ改善のためのストレッチとして、茎突咽頭筋・茎突甲状筋を鍛えるための方法が紹介されています。上記2つは、茎状突起側からのアプローチとなりますが、一方こちらは舌骨側からのアプローチとなります。こちらも、挿絵はなく文字だけでのご紹介となります。
- 唇を閉じ、舌で上下の歯の外側をなぞります。
- 上の歯と下の歯をなぞるのにそれぞれ2~3秒。よって、一周するのに賞味4~6秒かけます。これを右回り20回、左回り20回を行います。
これを朝昼晩と1日3回実施するようです。
参照:噛み合わせ改善ストレッチ – 情報番組収集局