当サイトでも度々ご紹介している、筋肉の緊張・収縮。これらは筋肉の運動形式です。つまり、筋肉は緊張・収縮することでその機能を果たします。緊張・収縮した筋肉は当然、圧縮された状態になるので物理的に「硬く」なります。

では、筋肉の硬化とは、緊張している、つまり、機能中の筋肉のことを指すのでしょうか?そうなると、硬化した筋肉は、機能性のある良質の筋肉ということになるのでしょうか?もちろん、これは間違いです。そこで今回は、少し混同しやすい筋肉の硬化と緊張・収縮の違いから、喉頭筋の理想的な状態、またそのためのアプローチについて述べていきましょう。

緊張・収縮は「機能」、硬化は「状態」

結論から言ってしまえば、緊張・収縮と硬化はまったくの別物です。冒頭にも申し上げましたとおり、緊張・収縮は筋肉の運動形式、つまり筋肉の「機能」のことを指す言葉です。一方、硬化とは筋肉の「状態」の言葉を指す言葉です。以下の図をご覧ください。

緊張と硬化

この図は、縦軸が「筋肉の機能」を示しており、横軸は「筋肉が機能していない、つまり静止している際の状態」を示しています。図の中の横軸上にある赤い丸は筋肉の状態によって左右に移動します。そして、筋肉はその状態により、ピンク色に塗られた三角で覆われた「筋肉の機能域」から「機能の範囲」が決まります。

機能域は「緊張度合の調整機能」「伸展」の2種でもって表されます。「緊張」は筋肉が自動的に行うことができる機能であり、硬化した筋肉でも緊張状態になることは可能です。しかし、発声時に求められるのは、緊張度合を調整することです。一方「伸展」筋肉が拮抗筋や外部の力によって他動的になされる機能です。このうち、後者の「外部の力」によってなされる伸展がストレッチになります。

「筋肉の機能域」と「筋肉の状態」は相関関係にあります。例えば、筋肉の状態が硬化状態側に移動すると、それに伴い筋肉は機能域を狭めます。これは、筋肉の状態変化に伴う機能域の変化と考えられます。一方、緊張ばかりの筋肉がストレッチなどで機能域が広がることにより、結果、筋肉が緩んだ状態へと変化します。これは筋肉の機能域の変化に伴う状態の変化ということができます。

既に、お気づきかと思いますが、理想的な発声を実現する喉頭筋は図の右側に位置する筋肉、すなわち、機能域が広く静止状態ではきちんと弛緩している筋肉です。よって、貴方は今後、御自身の喉頭筋を図の右側に移動させていかなければなりません。では、どうすればそれを実現することができるのでしょうか?

ひとつめは機能域からアプローチをする方法、つまり「ストレッチ」を施すこと。もう一方が、静止した筋肉を弛緩した状態にする方法、つまり「筋弛緩法」を施すことです。各々の方法については、「ストレッチ」と「筋弛緩法」について考えるのページで具体的に述べていくことにしましょう。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で