声門を狭小させる筋肉、外側輪状披裂筋(側筋)と披裂間筋(間筋)
外側輪状披裂筋(側筋)と披裂間筋(間筋)は、輪状甲状筋と後輪状披裂筋によって開大した声門を狭小させる筋肉です。
開大したままの声帯は、ファルセットしか発声できません。これをヘッドボイス、さらにはミドルボイスへと変化させていくためには、この開大した声門を狭める必要があるのです。
この役目を果たすのがこの2つの筋肉です。ここでは、これら2つの筋肉がどのように声門を狭小させるのかについてご説明しましょう。
外側輪状披裂筋(側筋)と披裂間筋(間筋)の働き
図の右側をご覧ください。まず、披裂間筋(横筋)ですが、こちらに関しては容易にイメージすることができるでしょう。披裂軟骨を囲うように位置する横筋は、緊張・収縮することで披裂軟骨の間隔をダイレクトに狭めます。
一方の外側輪状披裂筋(側筋)については、披裂軟骨の特徴的な構造により、ユニークな形で声門を狭小します。側筋は緊張・縮小することで披裂軟骨を輪状軟骨に沿って外方向にスライドさせます。それにより、披裂軟骨と声帯の接着部が中央に寄り、結果的に声門が狭小されます(図の左側になります)。