肩甲舌骨筋

肩甲舌骨筋肩甲骨から始まり、舌骨で停止する弓なりの細い筋肉です。特徴として、その途中に中間腱と呼ばれる腱が介在し、肩甲舌骨筋はそこで上腹下腹に分けられます。肩甲舌骨筋の収縮により、舌骨は後下方に引き下がります。

この肩甲舌骨筋の過緊張は、喉頭の奥下方への埋まり込みを生じさせます。喉頭の埋まりこみは発声に様々な弊害を及ぼします(詳しくは、喉頭の埋まり込みとは?)。

したがって、あなたがもし喉頭の埋まりこみ現象に該当するようなら、まずはストレッチを実施し、肩甲舌骨筋の柔軟性を獲得させ、発声時の過緊張を解消させる必要があります。

ストレッチ時は、筋肉の位置をイメージすることと、その筋肉が伸びている感覚を研ぎ澄ませることが重要です。図をみて正確な肩甲舌骨筋の位置を認識してください。

ストレッチ方法(舌骨~上腹側からのアプローチ)

では、インターネット上で紹介がなされている肩甲舌骨筋のストレッチ方法の中で、実践が比較的に容易であり、なおかつ実際に私が実施、効果が期待できると思われた方法が記載されているサイトを以下でご紹介していきます。まずは、舌骨とつながる上腹側のストレッチからご紹介していきます。

ニューストレッチ⑥(あべこべ体操) 30秒で首がほぐれてしなやかになる

まずは、既に300万の再生回数を誇る人気動画である「あべこべ体操」をご紹介します。身体の一部を逆方向に動かす中で、力みを意識を取り除く趣向のエクササイズで、フェルデンクライス・メソッドを発祥とする北洞誠一先生提唱のストレッチです。

フィットネスの勧め

こちらは胸鎖乳突筋のストレッチでも出てきた、喉の前面を伸ばすストレッチです。頸の前で手のひらを合わせ、人差し指~中指、薬指で顎を押さえ、そのまま無理のない範囲まで区頸を後に沿っていきます。可動域最大まで当該筋肉を伸張させることをイメージしながら、そのままの状態で15秒から30秒静止します。(以下、本文抜粋)

首の周りには、僧帽筋(上部)、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、頭板状筋、または前斜角筋など、大小様々な筋肉が集まっています。特に肩こりのある方はお風呂上がりなどで筋肉が緩んでいるときにストレッチすることお勧めします。

  • 頭を後傾させた形。
  • 首の前面にある胸鎖乳突筋、肩甲舌骨筋、または前斜角筋などのストレッチとなる。

首の歪みを優しく矯正!頸椎からくる頭痛をなおすストレッチ

こちらも喉の前面を伸ばすストレッチですが、最初に舌とともに、舌骨の位置を調整するため、より上腹部のストレッチが期待できる内容が紹介されています。

舌を左右の口角につけるストレッチ法

次は、舌を動かすこと舌骨を左右に揺らすストレッチ方法です。舌を出し、それらを左右の口角につける動作を2~30回行いましょう。舌を動かすことで、舌に付随する発声に影響を及ぼす筋肉「顎舌骨筋・肩甲舌骨筋・顎二腹筋肉」をほぐす効果も期待できます。

ストレッチ方法(肩甲骨側からのアプローチ)

今度は下腹側、つまり肩甲骨側からのストレッチをご紹介していきましょう。肩甲骨周辺筋肉は、肩こりの原因となる筋肉が集まっています。肩こりは、現代人の生活習慣病です。デスクワークやかばんの持ち運びなど、現代社会では日常の様々な動作が肩周辺の筋肉に負担をかけています。私も、一日の中で一定時間、パソコン作業をする習慣があり、気がつくと肩の辺りにコリを感じることがあります。そんなときは、決まって声に影響が出ます。

したがって、デスクワークをする習慣がある人にボイストレーニングを施す場合は必ず、肩こりの有無を聞くようにしています。もし軽い肩こりの自覚症状がある場合は積極的なストレッチを、慢性的な中・重度の肩こりの自覚がある場合は、整体等で治療を受け、肩こりを解消させることを強く勧めております。

以下、紹介させていただくストレッチは私が普段よく実施するもので、特に効果を実感したものです。しかし、本やインターネットではその他様々なストレッチ法が紹介されています。もし、以下のストレッチ以外を実施してみたいと思われた方は、是非お調べいただき、御自身に最適なストレッチを見つけていただければと思います。

肩甲骨ストレッチ

  1. 腕を上げ下げしながら肩甲骨を動かすストレッチ
  2. 腰に手を当て、パタパタと腕を羽ばたかせながら肩甲骨を動かすストレッチ
  3. 腕をまわしながら肩甲骨を動かすストレッチ

この動画では、以上3つのストレッチが紹介されています。2分20秒と短く、内容も簡単に実施可能であるにも関わらず、なかなかの効果を得られるストレッチです。是非、ご確認ください。

肩こり・腰痛とさよならする、肩甲骨ストレッチ – 1日1分からの筋トレ

news.mynavi.jp

こちらは四つんばいになり、肩を内側に入れ込み、自身の体重で肩甲骨周辺筋肉を伸ばすストレッチです。外出先で簡単に実施することはできませんが、効果抜群です。是非、ご自宅でお風呂上り等にお試しください。(以下、本文抜粋)

  1. 四つんばいになる。
  2. 左手を前に大きくずらし、右手は身体の下をくぐらせる。
  3. 右手を前に大きくずらして、左手は身体の下をくぐらせる

一人でできるストレッチ集

このページでは、5つのストレッチ1.胸鎖乳突筋2.斜角筋3.肩甲挙筋4.胸襟5.菱形筋が紹介されています。1.は、胸鎖乳突筋のストレッチのページでご紹介させていただいております。したがって、ここではそれ以外をご紹介させていただきたいと思います。これらはいずれも肩甲骨に関する筋肉のストレッチとなります。時間をかけしっかりと伸張させるストレッチが紹介されておりますので、是非、お風呂上りにお試しください。

斜角筋のストレッチ



肩甲挙筋のストレッチ

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まず背筋を伸ばした姿勢をとります。あごを引いたまま首を45度右(または左)に回します。手で頭を上から引き下げます。引っ張られる感じがない時は、少し頭の位置をずらしてみてください。


胸筋のストレッチ

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手のひらがおしりの側に向くように、両手を後ろで組みます。胸を張って手を上に引き上げていきます。
上半身を前に倒さないようにします。後ろで手が届かない場合は、タオルなどを持って行うとよいでしょう。


僧帽筋のストレッチ

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仰向けに寝て片方の腕を腰の下に入れて固定します。その腕と反対方向に頭をひねり、もう片方の手を頭の周りに巻き込んで、首の根元を支えます。頭に回した方の腕で頭を引き、反対に腕を腰に回した側の肩は頭から離すようにしてストレッチします。


肩甲舌骨筋の超絶技巧ストレッチ

最後に、外喉頭筋ストレッチのスペシャリスト、ボイスケアサロン會田先生の運営するサイト喉ニュースから、肩甲舌骨筋のストレッチ方法が記載されておりますので、そちらをご紹介しましょう。このストレッチは、タイトルに「超絶技巧」とあるとおり、施術者にかなりの技術と経験が要される施術内容が紹介されています。

再三申し上げておりますが、専門でない方が、アマチュア判断で喉頭周辺筋肉に直に触れ、押したり揉んだりするのは、筋肉負傷の原因となりますのでお勧めできません。もし、実際に施術を受けたい方は、この會田先生をはじめ、プロの手ほどきを直接受けるようにしましょう。

その他、喉頭周辺筋肉のストレッチに関する有益情報あれば、御一報いただければ幸いです。

喉周辺の筋肉の硬化改善に有効な整体院のご紹介

今回、私の治療を担当してくださっていた治療家の先生が独立・開業することとなり、こちらで整体院のご紹介をさせていただくこととなりました。こちらのページにて、詳しくご紹介しております。興味がある方は是非ご一読ください。

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